2009年度予算原案に思う
小泉政権時代の「骨太の方針」という言葉を思い出した。どんな意味であったのか振り返りながら来年度の予算を検証してみたい。「不良債権の処理」「郵政民営化」「三位一体改革」国債発行額30兆円以下」「社会保障制度の見直し」「公務員の総人件費削減」など改革なくして成長なしの合言葉,官から民へ国から地方へうたい文句はかぎりなく国民の協賛を得た思いがする。衆議院選挙では郵政民営化の反対者に有無を言わせず刺客を派遣し強引な手法で議席の三分の二の多数を獲得したが果たしてその思いは実現したのかどうか。その後参議院選挙での与野党逆転の悲哀を見ると必ずしも具体的な成果は国民に賛同を得たとは思えない結末となった。その昔参議院を制するものは政治を制すと言われたが今日の政治の混乱は正にその様相を強くするものである。戦後60年余を経て今ほど与野党が政権獲得のために国民の窮状を忘れたかのごとく党利党略を優先した政治は知らない。安倍福田政権は立て続けに瓦解してが麻生内閣になって初めて編成する2009年の予算の財務省原案が内示された。
一般会計の総額は過去最大の88兆5480億円となり急速な景気の落ち込みに対応するため小泉政権以降の「財政再建路線」を転換して景気重視の姿勢を明確にした事は国民のためにどのように作用するのだろうか。国債発行額を30兆円以内とした方針などすっかり忘れ税収が五十兆円下回り基礎的財政収支の赤字は08年度の2.5倍にも拡大されるなど骨太骨太などと謳われた方針は微塵も発見出来ず野党が言っていた霞が関の埋蔵金が突然飛び出してくるなど国民に痛みを共有するように指導していたことが遠い昔の回想話に終わろうとする。特別会計の廃止統合も天下り規制も目に見える効果も発揮できず改革路線からずいぶんと異質の予算編成には政治への不信感を更に増幅させてやがて近づく衆議院選の去就に少なからず不安感を残したように感じるのは取り越し苦労でしょうか。
収支のバランスを完全に失った予算の編成方針特に国債発行額を33兆円をこえ埋蔵金は本来国債償還の財源に当てるべきものを流用する事の危険性にめざめて景気回復の目途がつけば直ちに止めるべきは論を待たないが道路特定財源の一般財源化は実質骨抜きになるなど地方も含めて冗費の節減に真剣に取り組むことは当然ではあるが今一度制度と予算のあり方を検証することが急務でもある。際限のない社会保障費の伸びには老齢化の自然現象に抵抗する術もないが社会保障目的税の創設も視野に入れながら国民生活の不安を解消する方途を講ずる必要に迫られるであろう.景気の動向によっては消費税の改正は財政健全化のためにも次善の手段であっても全ての施策でスリム化をはかり与野党の政局の拠点にするのではない真に日本の財政再建のための論議が待たれているものである。
選挙の解散時期は遠のいた印象は拭えないが自民党も民主党も国民あっての政党であることに思いを致し単に政権を奪取するための政権闘争から一日も早く脱却して大政翼賛会ではない民主的な手法でこの難局を克服して欲しいものである。小泉改革に国民が期待を寄せたことが全く徒労にならないよう政治家は今こそ立ち上がるチャンスでもある。
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